乞食を三日すると忘れられない

 乞食を三日すると忘れられない、と言うけれども、淪落の世界も、もし独立|不羈《ふき》の魂を殺すことが出来るなら、これぐらい住み易く沈淪し易いところもない。いわば、着物もいらず住宅もいらず、野生の食物にも事欠かぬ南の島のようなものだ。だから僕は淪落の世界を激しく呪い、激しく憎む。不羈独立の魂を失ったら...

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生家の栄誉や富

 このような躾けの良さは、必ずしも生家の栄誉や富に関係はなかろうけれども、然しながら、生家の栄誉とか、富に対する誇りとか、顧みて怖れ怯《おび》ゆるものを持たぬ背景があるとき、凡人といえども自らかかる毅然たる態度を維持することが出来易いと僕は思う。 とはいえ、栄誉ある家門を背景にした子供達が往々生れ...

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淪落に就て

     二 淪落に就て

 日本人は小役人根性が旺盛で、官僚的な権力を持たせると忽《たちま》ち威張り返ってやりきれぬ。というのは近頃八百屋だの魚屋で経験ずみのことで、万人等しく認めるところだけれども、八百屋や魚屋に縁のない僕も、別のところで甚だ之を痛感している。 電車の中へ子供づれの親父やおふく...

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